「おはなし」の話 その1

「環境って生きている」おはなし

幼稚園の保育環境について語られる時
温水プールがあるとか、豪華な園舎だとか、園庭が広いとか、自然がいっぱいとか
設備(もの)についての話が中心になることが多いようです。
もちろん、それも大切な要素には違いありませんが・・・。

「環境」って、それだけ・・・なんでしょうか?

かつて、物質的な豊かさを求めるあまり、
人間としての(大切なもの)を置いたまま、経済成長だけを追い求めた時代がありましたが
子どもたちの教育についても同じことが言えないでしょうか?

子どもたちの目先の成長や知的成長を追い求めるあまり
(大切なもの)を置き去りにした保育環境の中で、子どもたちを育ててしまっては
心身両面の健やかな成長を図ることができません。

子どもたちの(大切なもの)を育てているのは
(もの)なんかじゃなく、
子どもたちと先生とで作り上げていく、人と人とのつながりの環境。
いわば、「人間環境」とでも言うべきもの。
事務的で、乾いた、カサカサの環境の中で大きくなって行く子どもたちと
あたたかで、温もりのある、豊かな「人間環境」の中で
お互いに影響し合い、響き合いながら、じっくりと育てられている子どもたちとの間に
大きな差異(ちがい)が生じるのは、当然の結果だと言えるかも知れません。

先生と子どもたちとで作り上げる、
温かく人間味のある
人と人との響き合いの「環境」こそが、た・い・せ・つ。

入園、進級してすぐの五月。
自由あそびの最中に、お母さんの顔を思い出して泣き出した女の子
いつもは元気に遊び回っているのに、突然、大泣きを始めて止まらない男の子
ちょっとしたことで、気分が落ち込んでしまった女の子
様々な子ども模様の・・・幼稚園の一日。

子どもたちは、毎日「笑顔」だけで過ごしている訳ではないけれど
いつも、子どもたちのすぐ側にいて
やさしく手を差し伸べてくれる先生やお友だちがいる。

この「環境」の中でこそ、安心して成長のための一日を
力いっぱい、過ごすことができる。
この「生きた環境」の中でこそ、大切な(もの)を体いっぱい吸収しながら
子どもたちは、大きく育って行く・・・。

先生たちの「朝」

先生たちの朝は早い・・・。

子どもたちが登園する前の時間を使って
園庭や廊下、外回りなどを
園長を先頭に、全員で掃除して子どもたちを待ちます。

「毎日、きれいな状態で子どもたちを迎えたい」と願う
先生たちのこの気持ちは、きっと、久喜あおば幼稚園の保育の内心(ないしん)となって
子どもたちに、大切な(もの)を伝えて行くに違いありません。

(内心とは、三角形などに内接する円の中心のことです。)

「人よりも早く」と、子育てを急ぐあまり
逆三角形のような子どもたちを育ててしまわないために、
しっかりとした内心と、内からの強い伸張力を持った(「正三角形」のような)
力強い子育てを願っています。